納得!自動車のステアリングの種類と役割
ステアリングとは、ステアリング・ホイールを短縮した名称のことを言い、一般的にはハンドルと呼ばれています。
その主な役割は、自動車の進行方向を変えるための操舵装置であり自動車になくてはならない装置なのです。
この記事の目次
なぜ自動車は曲がるのか?
多くの人は「なぜ自動車は曲がることが出来るのか?」という問いに対して、「ハンドルを切るとタイヤの向きが変わるから。」と答えるはずです。
この答えは、半分正解ですが半分不正解です。
ハンドルを切る(ステアリング)で方向が変わるのは、30km/h未満の低速の時のみで、30km/hを超える速度の場合はステアリングによる旋回の力と遠心力によって自動車は曲がることが出来るのです。
旋回の力を生み出すのがステアリング
前項にもある通り、自動車をステアリングのみで曲がるように操舵することは遠心力の力なくして出来得ません。
ステアリングは、遠心力を活用していかにそのカーブを上手く曲がれるかの操舵調整をする装置であると言えます。
ステアリングとはそういった物理の運動を上手く利用した画期的な装置なのです。
乗用車で一般的なのは
現在販売されているほとんどの自動車で採用されているのが、パワーステアリングです。
パワーステアリングとは、ドライバーの操舵を軽くする役割を果たす装置のことを言います。
またパワーステアリングには、油圧式と電動式という2種類の方式があり、エンジン出力の大きい大型車や一部の高級車は油圧式、エンジン出力の小さい軽自動車は電動式といったようにそれぞれ採用されてきましたが、大型車などにおいても徐々に燃費の良い電動式に移行しつつあります。
要Check!ポイント
- 油圧式…エンジン出力によって油圧式ポンプを回し、その油圧をパワーシリンダに送油することでステアリングをアシスします。
- 電動式…大きく分けて3種類あります。
①コラム式…車内のハンドルにモーターを付けて、直接ステアリングをアシストします。
②ピニオン式…ハンドル軸に付いたピニオンギヤとラックギヤを組み合わせてステアリングをアシストします。
*現在の乗用車のほとんどがラック&ピニオン式を採用しています。
③ラック式…ボールネジを用いて、モーターがラックを直接アシストします。
*現在、中・大型車といった大出力設計の自動車に採用されています。
油圧式のメリット
- 比較的安価に作れる。
- コンパクトなのに大出力な設計。
油圧式のデメリット
- 使用していく中でオイル漏れをする可能性がある。
- 車種によって部品が違うので部品共有がし辛い。
電動式のメリット
- 油圧式に必要なポンプなどがないので、エンジンルームがシンプル。
- 車種によっての部品が共通でコンピューターの書き換えのみなので、部品交換の必要がない。
- 旋回の必要のない直進時にはモーターに電流が流れないため、 エンジン出力のロスが少なくて済む。
電動式のデメリット
- 油圧式よりも出力が小さく、中・大型車には不向き(最近では改良の結果採用されるようになってきている)。
- モーターが過熱しやすい。
おわりに
ステアリングがなければ、自動車は直進するだけの乗り物になってしまいます。
またそのステアリングも、物理の運動のしくみを理解した上で設置されなければ、どの程度の速度で舵角をとればそのカーブを上手く曲がり切ることが出来るといった保障も出来ません。
ステアリングのしくみを知るということは、そういった知識と技術を融合させて現在の自動車のしくみを作り上げてきた先駆者達のもとにあるのだと理解出来るのです。
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