AT・ATFのメンテナンス方法(オートマチックトランスミッション・ATフルード)
AT(オートマチックトランスミッション)は、エンジンからの出力をクラッチにより変換してタイヤに伝えるものです。
AT内部にあるATF(ATフルード)は12,24か月で点検し、~10万キロを目安に交換が必要な場合があります。
ATFが劣化や不足するとシフトチェンジのときにショックなどが起こったり、燃費が悪くなったりしますので一定期間での点検が必要となります。
この記事の目次
AT(オートマチックトランスミッション)とは
クラッチ機構と変速機構で分類され、クラッチ機構はトルクコンバーター式と湿式多板クラッチ式に、変速機構は遊星歯車式と並行軸歯車式、無段変速式(CVT)に分けられます。
一般的に、クラッチ機構のトルクコンバーター式が多く採用されており、トルクコンバーターが多段変速機に駆動力を伝達します。
ATF(ATフルード)とは
AT内部を満たしており、歯車(遊星歯車式など)の潤滑や冷却の役割とバルブ類にかかる圧力制御をしています。
ATFはエンジンオイルとは違い、赤か緑などに着色されています。
ATミッションの点検方法
ATミッションの点検方法として、シフトジェンジの異常と燃費の悪化やATF(ATフルード)の点検などが挙げれます。
ATF(ATフルード)の点検方法
まず自動車を水平な場所に停車し、エンジンを回したままシフトをPレンジにしてサイドブレーキをかけます。
エンジンルームを開けレベルゲージで点検しますが、HOTの目盛で確認するため、エンジンをかけたままにしてATFを十分に暖めます。
エンジンが暖機されたらエンジンルームを開けATFレベルゲージを引き抜いて汚れ等を確認します。
最初にレベルゲージを引き抜いたら先端を拭き、差し戻し、もう一度引き抜いたらHOT側の目盛を見てオイルの状態を確認します。
フルードの量は、レベルゲージ先端のHOT側の目盛にある穴(F)と穴(L)の間に付着が認められれば十分です。
フルードの色は、黒くなるほど劣化進んでいると判断できます。
また、レベルゲージを抜き差しする時には、ゴミや髪の毛、糸くずなどの異物混入に注意しましょう。
劣化したATFは潤滑性能が落ちてしまい、摩耗材(クラッチとブレーキバンドなど)減少させてATミッションの摩耗がすすみ故障の確率が高くなってしまう場合もあります。
シフトチェンジの異常が発生する場合
シフトレバーをPからR、RからDなどのようにシフトチェンジした時にショックを大きく(強く)感じたり、タイムラグ(遅延時間)が大きい場合などは異常があると思われます。
燃費が悪化している場合
燃費の悪化には道路状況や走行状態(急発進急停車など)、エンジンオイルの劣化、タイヤの性能や状態、燃料の性質、積載重量の増加などいろいろありますが、ATミッションの以上も原因である場合があります。
ATFの豆知識
ATFの冷却
ATFには冷却するためのオイルクーラーが空冷式や水冷式で付いていることが多いです。
空冷式にはサーモスタットが水冷式にはラジエーターなどが付いておりATFの安定した温度管理に役立っています。
ATFの規格
ATFの規格は化学合成油を基本に制定され、各自動車メーカーの特別な要求性能により合わないATFを使用するとATミッションに不調や故障をあたえることもあります。
ATFの規格は多数あり比較的汎用性が高いものでもATF+4、MerconV、DexronVI、ATF-Z1、SP-Ⅲ、JASO 1A、T-Ⅳ、ATFWSマチックフルードD、ATFM-V、ECVTフルードなどがあります。
化学合成油のATFは鉱物油よりも熱負荷や酸化、剪断抵抗性が優れており長期にわたって
初期性能を維持が期待できます。
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